【北海道森町】イカ飯で有名な森町鷲ノ木遺跡!縄文人もイカを食べた!?

【北海道森町】イカ飯で有名な森町鷲ノ木遺跡!縄文人もイカを食た!? 観光

鷲ノ木わしのき遺跡見学会に行ってみよう!ということで北海道茅部郡森町かやべぐんもりまちの鷲ノ木遺跡に行ってきました。今回は鷲ノ木遺跡についてご紹介します!

2021年ユネスコの世界遺産に北海道・北東北の縄文遺跡群じょうもんいせきぐんとして17遺跡が登録され、それらの関連資産とされる2遺跡のうちの一つが鷲ノ木遺跡です。縄文遺跡群には青森の三内丸山遺跡さんないまるやまいせきなども含まれていて、日本の縄文文化を知ることができる貴重な文化遺産群の一つでもあります。

鷲ノ木遺跡の場所について

鷲ノ木遺跡の場所は北海道の南部にある森町で、高速道路の真上にある遺跡です。

遺跡が作られた場所は見晴らしの良い台地のようになっており、縄文時代には駒ケ岳こまがたけが現在のような山の頂上がへこんだ形ではなく綺麗な山型になっていたため、遺跡を挟んで対角線上にある羊蹄山ようていざんとの間で、祭祀さいしをする際に適した場所として選ばれたのではないか、とのことでした。

鷲ノ木遺跡の行き方について

鷲ノ木遺跡へは森町教育委員会社会教育課文化財保護係に予約(日付指定で3日前までの電話予約、先着20名まで)して森町役場へ集合。

そこからバスで10〜15分ほど移動して見学しました。

※来年度以降は遺跡を見学できる環境を徐々に整えて、見学者数を増やしたいと案内してくれた役場の方がお話ししていました。

鷲ノ木遺跡の年代

鷲ノ木遺跡の年代はもちろん縄文時代。

縄文時代は今から6,000年前から2,000年前の間とされていています。

鷲ノ木遺跡はその中の約4,000年前、縄文時代後期前半に出来たと考えられています。

鷲ノ木遺跡のおすすめ縄文遺跡

鷲ノ木遺跡で見られる遺跡は主に環状列石かんじょうれっせき竪穴墓域たてあなぼいき、土器や土偶などです。

環状列石(ストーンサークル)

鷲ノ木遺跡は中央に楕円だえんに配石され、その外側に二重に円環えんかん状に石が並べられた、外周が約37mx約34mのほぼ円形の遺跡です。

一番外側の石は平らな形態のものが多く中央部に対して面をむけるように立てて配列されています。

黄色っぽい色の石や、白っぽい石など色も考えて置かれているようで、古代の人達が何か意図を持って作ったんだろう、という事は想像にかたくありません。

石の形状が円味を帯びていることから川から持ってきたと推測されますが、付近の森を散策すると道は結構な急勾配。平均40〜45cm、最大80cmの石が約600個。

これだけの石をどうやって運んできたのか…謎です。

竪穴墓域

環状列石の付近には副葬品を伴う墓穴も発見されています。

古代の人達がお墓として選んだ場所が、山が綺麗に見え周囲からは高台になっている場所にするという点は、現代の私達とも通じるものがあるのかもしれません。

イカ型土製品

土器や石器、土偶、装飾品などの出土品がある鷲ノ木遺跡ですが、特筆したいのは何と言ってもイカ型土製品。中が空洞になっていて、どこからどう見ても火が通ったイカにしか見えません。

付近の海で捕れたイカを模して作られたのでしょうか。土器として使うには難しそうですし、みんながせっせと石を運んだりしている中、こっそりこの土製品が作られたのかもしれない、と思うと4,000年前の縄文人と現代の私たちの中に共通するものを感じて色々想像が膨らみます。

鷲ノ木遺跡の森にいたモンスターウルフ

遺跡の周囲の森も見せていただきましたが、熊よけの「モンスターウルフ」が設置されていました。試しに近づくと目が赤く光り、吠えるというより金切り声に近いような耳をつんざくような叫び声で威嚇します。緩慢にクビを左右に振りながら雄叫びをあげるその姿は人間の私でも恐怖を感じました。

役場の方によると熊はでなくなったそうですが「鹿は何度か来たら慣れちゃったみたいで…賢いのか、それとも馬鹿なんだか…」と仰っていました。どっちなんでしょうね…私も知りたい。

遺跡の森には栗の木が生えていましたが昔の縄文人が食用として交易をした結果、持ちこまれたものだと考えられているそうです。

鷲ノ木遺跡の発見について

高速道路を建設する際の地質調査によって発見され、その保存状態の良さや遺跡の価値などから、通常であれば道路建設が優先されるところ遺跡として保存されることになりました。

そのため遺跡の下にトンネルが掘られるという珍しい鷲ノ木遺跡。

遺跡を残しながらの建設工事だったので設計との差を上下1センチ未満に収めるために、手掘りで少しずつすすめられました。工事の内容は遺跡の前にある解説パネルでも紹介されています。

森町遺跡発掘調査事務所について

鷲ノ木遺跡や森町内で発掘された出土品、環状列石のジオラマなどの展示があります。小さいながら展示物が豊富で鷲ノ木遺跡と併せて見学すると理解が深まります。

   森町遺跡発掘調査事務所

 場 所

 〒049-2313 北海道茅部郡森町森川町292−24

 5号線を南に向かい278号線との交差点を過ぎて最初の脇道を右折

 開館時間

 平日午前9時から午後4時

 休館日

 土日・祝日・年末年始(臨時休館有り)

 ※但し遺跡見学会が開催される土日などの休館日に臨時開館していたので要事前確認!

 お問合せ先

 森町教育委員会社会教育課 

 森町公式HP

鷲ノ木遺跡がある森町について

全国で人気の駅弁「いかめし」で有名な森町。私のおすすめは道の駅がある「オニウシ公園」。

春には桜が咲き誇ることで有名ですが、他の季節でも花々や樹々がとても美しい公園です。

「オニウシ」とはアイヌ語で緑(木)が多いという意味だそう。

森町の桜の木は本来であれば樹齢が60年くらいのところを100年も生きている立派な木が多く、手入れが行き届いているからでしょう、とのお話でした。

(七飯町歴史館の学芸員さんは環境もあっているのでしょうね、ともおっしゃっていました。)

桜とともに栗の木が生い茂る青葉が丘公園もおすすめです。

鷲ノ木遺跡のある森町までのアクセスについて

札幌からは車で約3時間30分(高速含む)、函館からは約1時間。

JRの場合、札幌駅から森駅まで約3時間(特急)、函館から森駅まで約1時間。

森駅から役場までは歩いて10分ほどの距離になっています。

まとめ

鷲ノ木遺跡は高速道路の上にある珍しい縄文時代の遺跡。ストーンサークルとも呼ばれる環状列石は保存状態がとても良く、かつての縄文時代の生活がとても身近に感じることができます。

そして何と言っても可愛らしいのがイカ型土製品。

桜や栗の樹々が生い茂る森町を訪れたら、是非かつての縄文人の気持ちに思いを馳せてみてくださいね。

名物のイカ飯がいつもとは少し違った味に感じることができるかもしれません。

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