札幌市にある北海道管理局で、アイヌの森を再生するプロジェクトを紹介するパネル展が開催されました。
その際のワークショップに、オヒョウという木の繊維で作るブレスレット作りを発見。
平取町から来たアイヌの方に教えてもらう、森林管理局の建物=別名ウッディホールで作るブレスレット。
今回は北海道の森を感じながらのワークショップの様子をご紹介します!
北海道森林管理局でのワークショップとは
北海道森林管理局、平取町、平取アイヌ協会の三者は平成25年に締結した「21世紀・アイヌ文化伝承の森再生計画~コタンコロカムイの森づくり推進のための協定書~」に基づいて、平取町の国有林にシマフクロウを呼び戻す取り組みをしています。
その様子を紹介するパネル展が森林管理局で開催され、ワークショップはその際に行われたもの。
21世紀・アイヌ文化伝承の森プロジェクトパネル展について
シマフクロウは大きな木に巣を作り新鮮な魚を餌とするため、大きな森や魚が住む川がないと生息できません。
北海道内の国有林はほぼ人の手が介入していて手つかずの原生林、シマフクロウが巣作りをできるような大木はあまり残っていません。
そこで平取町の国有林では以前の豊かな森を取り戻そうという取り組みが進められています。
木の成長には長い時間を要するため、数十年数百年先の未来への森作りとも言えます。
その取組の様子をパネルを中心にアイヌの方たちの民具、馬搬で森を再生する動画などで紹介しているのが今回の展示でした。
展示の概要
会期:2023年12月4日(月)~12月14日(木)10:00~15:00(土日を除く)
観覧料:無料
オヒョウとは
オヒョウとは山地に生える落葉高木。
アイヌの人々はこのオヒョウの内皮の繊維をとって紡ぎ、アットゥシという衣服を作ります。
ワークショップの様子
会期中に一日だけ行われたオヒョウのブレスレット作り。
すでにワークショップの時間が過ぎていたものの、快く教えていただきました。
平取から来ていただいた講師の方たちの説明を聞きながらのブレスレット作り。
参加した他の方と一緒にテーブルを囲みながら、
- 平取では小学校の授業にオヒョウの編み方を習うこと。
- 現在約1600本、250種の樹木が植樹されていること。
- 白いオヒョウは珍しくて貴重なこと。
などのお話を聞きながら黙々と編んでいく作業は久しぶりに楽しめました。
ウッディホールとは
北海道森林管理局があるウッディホールは道産材がふんだんに使われている建物です。
中央には2階へ続く階段があり広い吹き抜けとなっています。
一角には木製のおもちゃの家や積み木などがある、小さな子供が遊べるスペース。
パネル展の奥には野球選手たちのサイン入りのキャップの展示があり、 日ハムで活躍したあの大谷選手や、栗山監督のもあるのは必見です!
なぜ野球選手と森林が関係するのか?
野球に欠かせない木製バットはアオダモから作られるからなんです。
他にも北海道の樹木の紹介をするコーナーや、図書コーナーなど北海道の森について知ることができます。
北海道森林管理局へのアクセス&駐車場情報
住 所
〒064-8537
札幌市中央区宮の森3条7丁目70番
公共交通機関
地下鉄東西線 西28丁目駅下車
JR北海道バス 山の手線〔循環西21〕又は〔西21〕に乗車「宮ノ森3条6丁目」下車
駐車場
有り
まとめ
森林管理局でのワークショップは、森と共に暮らすアイヌの人々の生活の一端にふれることができる貴重な体験でした。
鹿の食害などでオヒョウの数は減っているそう。
今回はブレスレットでとても小さなものでしたが、実際に紡いでみるとかなりの手間ひま、そして多くの時間がかかります。
森の木から衣服=アットゥシを作るアイヌの暮らし。
豊かな森が回復し、シマフクロウが戻ってきて、アイヌの方の伝統的な暮らしが再び営まれることができるように何ができるのか…
出来上がったブレスレットを見ると時の重みを感じます。
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