ギャラリーカモカモ「たおやかなもの」ファイバーアート3人展レビュー

Museum

2024年11月10日から16日まで札幌市南区真駒内にある GALLERY kamokamo (ギャラリーカモカモ)で開催された

たおやかなもの 

ファイバーアート3人展

ギャラリーの前をふらりと通りがかった少し風が強い休日の昼下がり。

扉を開けると、そこには華やかで美しく彩られた世界がありました。

展覧会の展示概要

きたがわゆきこさんの作品。「たおやか」という言葉について。

サブタイトルにあるとおり女性作家3人による展覧会。

ギャラリーの内部を大きく3つに分けた展示でした。

どの作品も個性的なのに不思議な統一感があるのは、繊維(ファイバー)を使っているからだけではありません。

軽やかでしなやかな、そして優しい力をもった作品世界に包まれてきました。

あの布に包まれたい 加藤祐子 

写真の右側の作品に包まれてみたくなる。

壁面に飾られた織物のひだに思わず触れたくなる作品たち。

毛糸のような立体感のあるふんわりとした織物は、しっかりとした深い色合いとは裏腹に柔らかな触り心地。

なかでも迫力のある大作に目を奪われました。

表面が雪の白さを思わせるような真っ白に毛羽立った(タオル地の繊維)作品の裏側は、細かくしっかりと織りこまれていてまるでレンガのような雰囲気。

重さと軽やかさの両方を併せ持ったこの織物になぜか包まれたくなります。

メガネな生きもの 岸田めぐみ

あちこちからじっと見てくる。

あちこちから視線を感じる生きもののような、大きさも様々のメガネたち。

メガネが生きているのか、生きものがメガネなのか。

鮮やかな繊維が縦横に織られていて妙に艶かしさを感じる大小のメガネたちはお互いに目で会話しているよう。

お部屋にひとつあると、寂しくない代わりに悪いこともできなさそうです。

儚い夢に実体を持たせた きたがわゆきこ

オーガンジーを使った作品は、標本にされた蝶や三日月をモチーフとしたライトなどどれも幻想的。

展示に合わせて作られた音楽を聞きながら鑑賞すると時が経つのを忘れます。

光をそのまま形にしたような、淡い色合いや儚げな風合いの作品はまるで夢のような美しさ。

現実化した覚めない夢の中に、いつまでも留まっていたくなる心地よさは忘れられません。

展覧会の会期&時間

2024年11月10日(日)〜16日(土)

10:00〜17:00

入場無料

アクセス&駐車場情報

場所:GALLERY kamokamo

〒005-0014 札幌市南区真駒内幸町1丁目1−15

スタジオ・カモカモ

℡:011‐584-0025 

札幌市営地下鉄南北線 真駒内駅から徒歩7分

駐車場 2台

周辺施設

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麺処 白樺山荘 真駒内本店

まとめ

ギャラリーの窓からの景色と作品がとても良い感じでした!

鉄や石などと比較すると一見弱そうな「繊維」。

異なる質感やカラフルな色使いで、幾重にも織ったり編んだり絡めたりして、しっかりと強さを持った素材に変化します。

どの作家さんの作品もその方の個性がはっきり出ているのに、ひとつのインスタレーションになっているような空間でした。

それはきっとそれぞれの作品が持つ優しさが共通していたからかもしれません。

「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。」というフィリップ・マーロウの言葉が浮かんできます。

弱い素材が幾重にも交差して強くなり、美しくなり、たおやかな存在になる。

なんだかすごく優しく包まれた感じがした展覧会でした。

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