【札幌ギャラリー十年二十年】海の記憶を刻む漂着物アート「大洋の塔」

Museum

2024年6月1日(土)から6月30日(日)までの金・土・日、ギャラリー「十年二十年」で開催されている作品展「大洋の塔」。

海に流れ着いた漂着物を使って作品をつくる海山俊亮(うみやましゅんすけ)さんの展覧会です。

札幌円山にあるアートギャラリーHOIさんのおすすめで行ってきました!

「十年二十年」インスタグラムアカウント

@junen_nijunen

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展覧会の展示について

海山さんは都内で古道具などを扱う「ウミノイエ」というお店を主宰されている傍ら、漂着物を使った作品を制作しています。

「十年二十年」では一年に一回6月に海山さんの作品展を開催。

今回の作品数は42点。

「Aliens」・「Sculptures」・「Others」という大きく3つのパートにわかれていました。

※海山俊亮さんインスタグラムアカウント

@mwush

作品ができるまで

海山さんは各地で拾ってきた漂着物を高圧洗浄機を使い砂抜きをして作品を作ります。

土台は漂流してきたプラスチック容器をもとにセメントで固めたもの。

作家としての意思をできるだけ削ぎ落として、自然の中で出来上がったものを作品としているそう。

ギャラリーのオーナーさんの許可を得て作品を持たせてもらいました。

動き出しそうな、生き物のような見た目に反して、想像以上にずっしりとした重さ。

作品が漂着物からつくられているという意味も感じます。

作品のキャプションとして使われていた小石について

タイトルと自分の感性との違いを楽しむ

それぞれの作品にはタイトルと価格が記された小石が添えられていました。

ひとつひとつの石がとても綺麗なので、これも作家さんが作品の一部として合わせたものかと思いきやギャラリーのオーナーさんが銭函や豊平川、その辺の駐車場などで拾ってきた石だそう。

この小石のキャプション、作品にピッタリあっています。

まるでオーナーさんと作家さんの関係性を反映しているみたい。

「Aliens」・「Sculptures」・「Others」それぞれの作品について

「Aliens」と「Sculptures」・「Others」と3つにわかれている作品群。

作品になっている漂着物は変わった形の流木の他にも、壁の断熱材として使われる硬化したウレタン材や傘の柄、ボールなど、最初はなんだったのか気になるものが色々ありました。

どれも不思議なかたちで、みる方向や角度、その時の気持ちによって違うものがみえてきそう。

傾いてきた陽の光に照らされる作品とその影は何か物哀しさを感じました。

窓の外とは全く違う世界

会場に流れていたのは伊達伯欣(だてともよし)さんの音楽

耳に心地よい音楽は伊達伯欣さんのもの。

伊達さんはブラジル生まれの日本人で鍼灸師でもあるそう。

流れている音楽はとても穏やかで優しく空間を満たしていました。

ギャラリー「十年二十年」について

普段はグラフィックデザイナーをされいているというオーナーさん。

週末に古道具のお店を開いているそうで、この作品展は年に一回とのこと。

人が多く行き来する賑やかな二条市場のそばにあるとは思えない素敵な異空間です。

会場内にはもう1羽の小鳥がいます。かわいい。

展覧会の入場料

入場無料

展覧会の会期

2024年6月1日(土)〜6月30日(日) 

金・土・日のみ開館

12:00〜18:00

アクセス情報

〒060-0053 札幌市中央区南3条東1丁目

メゾンRN 4階

まとめ

札幌で年に一回開催される海山俊亮さんの作品展。

あちこちの海岸に流れ着いたものが、美しいオブジェになって静かに佇んでいました。

朽ちてしまった木や人間が出したゴミを、自然は黙って受け入れそっと返してくれる。

その中から海山さんが拾い上げたものが、今私達の目を楽しませるオブジェになってここにいる。

自然とわたしたちのあり方、関わり方を再考せずにはいられない、ちょっと切なくて素敵な作品展でした。

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