展覧会があれば、それがどんなジャンルでもとりあえず行っていたのですが最近はあまり気が向かず行っていませんでした。
そんな中、星野道夫さんの写真展が帯広美術館で開催されるとの情報。
星野さんはアラスカでの動物写真が有名ですが、彼の書いた文章もとても魅力的なものです。
有名な著書のひとつ【旅をする木】は友人から貰ったのですが、今でも手元においてたまに読み返しています。
そんな星野道夫の写真展は期待通り、いえ期待以上に素晴らしい展覧会でした。
展示されていた写真の他に直筆の手紙や愛用のカメラ、展示のキャプションとして星野さんの文章が使用されていて、2時間ほどの時間を過ごしました。
星野道夫の写真展 10年ぶりの開催
2024年4月20日から6月30日まで開催される今回の写真展は「星野道夫 悠久の時を旅する」というタイトルで2012年と2013年に同じタイトルで開催された展覧会に、更に作品を追加して再構成された10年ぶりの巡回展になります。
場所は札幌から車で3時間ほどの帯広での開催ですが、道内での開催地がここだけになるので絶対に見逃せません。
新緑の芽吹く山道を抜けて広大な大地が広がる帯広での展覧会はとても印象的なものでした。
星野道夫 写真展 悠久の時を旅する 展覧会の構成
星野道夫の写真展の構成はプロローグから始まり、第1章から第5章までの5つに分かれた構成でした。
展覧会の展示目録には147点の作品が載っています。
資料としては22点が展示してあり、星野さんがアラスカに行くきっかけとなっシシュマレフ村長とのやりとりをした直筆の手紙、原稿、カメラなどがありました。
大学生だった星野さんがアラスカに行くきっかけから始まり、厳しいアラスカの自然の中で生きる動物たちに惹きつけられていく眼差し。
生物たちと同様に厳しい極寒の地で暮らすアラスカの人々の生活。
静かに移り変わる植物や自然の様子。
過酷な自然の中で生きてきた人々の暮らしの残骸。
星野さんの新しい旅の始まりが突然の終わりを迎えるまでの景色。
星野道夫という一人の人間の目を通して写し出される写真には、自然に対する深い畏敬の念が感じられます。
美しく過酷な自然の中での動物や人間の営みを映し出す写真は、崇高な気配を湛え観るものの心を捉えて離しません。
彼の写真はアラスカなどで撮影した動物写真、例えばグリズリーやカリブー、アザラシ、ホッキョクグマなどの写真が有名です。
けれども、今回の展覧会では自然の中での植物や風景写真も多く展示されており、彼が野生生物だけではなく自然そのものへの深い思いを抱いていたことが、改めて感じられる内容でした。
会場に数か所置かれた長椅子には星野さんの著書「悠久の時を旅する」が置かれていたので、手にとって読んでいる方もいました。
展覧会では会場の外で撮影できる写真が2点。
NHK帯広放送局が上映している8K(地上デジタル放送のハイビジョンの16倍にあたる超高画質映像)の特別プログラムも美術館のロビーで放映されていてこちらも入場無料で鑑賞できます。
星野道夫 写真展 悠久の時を旅する 展覧会の混雑状況
写真展へはGW後半の午前中に行ってきました。
どちらかというと年齢層が高めの来場者が多く、さほど混んでいる感じはしませんでした。
それでも会場の入口で上映されている特別映像の前は、立ち見をするほどではないものの椅子は埋まっていました。
星野道夫 写真展 悠久の時を旅する 展覧会の所要時間
さっと観る程度なら30分ですが、じっくり鑑賞するなら1時間以上は必要になるかも。
展示されている写真が147点、資料が22点。
かなり見ごたえはありました。
私は2時間ほど滞在しましたが、展覧会では「悠久の旅をする」という本が読むことができるので、もっと長い時間過ごすこともできます。
星野道夫 写真展 悠久の時を旅する 観覧料ほかチケット割引情報
個人:一般、大学生1200円、中高生600円、小学生100円、未就学児無料
道立美術館で一年以内に観た特別展があれば200円割引になるということで、札幌国際芸術祭のデジタルパスQRコード画面を提示したところ割引してもらえました!
星野道夫 写真展 悠久の時を旅する 会期:開館時間・休館日
会 期 2024年4月20日(土)〜2024年6月30日(日)
開館時間 9:30-17:00
展示室への入場及びミュージアムショップの利用は16:30まで
休館日は下記の通り、但し変更あり
- 月曜日 (月曜日が祝日の場合はその翌日)
- 祝日の翌日
- 年末年始
- 展示の入れ替え時
アクセス&駐車場情報
〒080-0846 北海道帯広市緑ケ丘 公園内
℡:0155‐22‐6963
緑ヶ丘公園の駐車場が利用できます。
駐車料金:無料
美術館のある緑ヶ丘公園には駐車場が8箇所あります。
帯広百年記念館のそばにある駐車場がおすすめですよ!
※緑ヶ丘公園概要についての公式サイトはこちらへ
帯広美術館の周辺情報
帯広美術館は帯広市の中心に位置する緑ヶ丘公園内にあります。
- 帯広百年記念館
- 帯広市野草園
- みどりと花のセンター
- グリーンパーク(400メートルの長いベンチが有名)
- 帯広市児童会館
- おびひろ動物園
- 植村直己記念館(動物園の中にあり)
元は刑務所だったという公園内には他にも見どころが沢山!
まとめ
今回の展覧会では写真とともにキャプションとして、星野さんの言葉(書籍や雑誌などからの引用)が掲示されており、より深く展覧会を観賞できる要素となっています。
その中のひとつに自然に対する「日々の暮らしの中で関わる身近な自然」と「訪れることのない遠い自然」という言葉がとても印象的で象徴的でした。
身近な自然に目を向け癒やされながらも、実際に体験することの難しい自然にも心を奪われるというのは日々の暮らしで私達が体験していることでもあります。
毎日の散歩で近所を歩いては道端に咲く花に心を和ませて、休日には足を伸ばしまだ見たことのない大自然を満喫しにいく。
展覧会では自然の素晴らしさや美しさを観ることができるのと同時に、人間の存在についても考えさせられるものでした。
撮影可能な写真の他にも、素晴らしい作品の数々があるので、じっくり時間をとって鑑賞することをおすすめします!
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